案外知らない
衣類・小物の収納&保管方法

 衣類の収納・保管、第一のポイントは見やすさ、取り出しやすさにある。いくら気に入っている服でも、タンスの奥にしまいこんだり、収納ケースの中に無造作にたたみこんでいると、見つけにくく、また取り出しにくくなってしまう。ひと目見て、どこに何があるかすぐわかる、そして、すぐに取り出せる。これがアイデア収納術の第一歩。

文/ファッション・アーティスト 逸海 遊(はやみ ゆう) イラスト/haneji

ファッション・グッズの収納

帽子類(ハット、キャップ、サンバイザーなど)、バッグ類、靴類の三つを三大ファッション・グッズ(服飾雑貨)と呼んでいる。他に傘や手袋なども含まれるが、これらはどう収納すれば効果的か。
 かさばるものの代表がツバ付きの帽子だが、これは服と同様に洋服ブラシでホコリをよく落とし、ときどきは内側もぬるま湯でよく絞ったタオルなどを用いて拭くという手入れが大切。フェルト製の帽子の汚れは消しゴムで取ることができる。保管は中に薄紙や包装紙などを丸めて詰め、形を整えてから、防虫剤といっしょに帽子ケースに入れるのが基本。
 帽子がたくさんある場合は、ひとつひとつをケースに入れておくと大変なので、入れ子式にして収納する。入れ子式というのは、大きい帽子の中にそれよりも小さな帽子を入れ、さらに小さな帽子を入れ込んでいくという方法。こうして箱や袋に収納しておくと場所を取らない。

バッグ類もこの入れ子式で収納することをすすめる。小さなポーチ類からハンドバッグ、トートバッグというようにしまい込み、最後はスーツケースに収納しておしまい。よく使用するバッグは、大きさの合うデパートのきれいな紙袋などに入れて、リビングボードや下駄箱の上などに置いておく。ショルダーバッグはクローゼットの扉の裏側にでも。こうしておけば、ホコリも付かないし、実に取り出しやすい。

化粧品の収納
アイテムごとに収納が基本

化粧品の種類はざっと数えてみただけでも、驚くほど多い。それと使い切らないうちに、つい新しいものを買ってしまうから、数もどんどん増えてしまう。古い化粧品は成分が劣化するので、1年以上使わないものは処分してしまうのがいちばんだが、そうもいかなくて、と悩んでいる人は意外と多いもの。ここで一度手持ちの化粧品を全部さらけ出して、思い切って整理してみよう。上手な収納は、まずここからスタートする。
 そうして化粧品や化粧道具などのアイテムごとに区分けしたものをまとめて、今度はアイテムごとに収納していく。数が少なければバニティケースにすべてが収まるほど、すっきりと整理できるかもしれない。余分なものは捨ててしまえばよい。

 バニティケースに収まり切らない場合は、専用の化粧品ボックスを利用する。日用品の量販店などにいくと、オシャレで気の利いた化粧品ボックスがあるもので、他にもボトルボックスやルージュスタンド、マニキュアスタンド、メイクトレイなどと色んなものが揃えられているから、好みのものを選べばよいだろう。
 別に専用の収納具を買わなくてはいけないということではなく、ドレッサーやボードの上にズラーッと並べておいてもいいのだが、要はイザというとき、どこに何があるかがすぐわかり、サッと取り出しやすいかどうかという点が、化粧品収納の決め手となるのだ。

化粧品


アイデアいっぱいの化粧品収納具

バニティケースや化粧品ボックスなどに収まり切らないほど増えてしまった化粧品はどうするか? ある美容ライターの女性は、「無印良品」のお店で購入したCDの収納ケースを利用して、化粧品をうまく収めているという。これは高さ17センチで横幅38センチ、奥行き28センチくらいの大きさのもので、3つの引き出し式になっており、丈の高い化粧のビンも難なく収納できる。透明のプラスチック製なので、見やすいこともこの上ない。

こうしたケースをいくつか並べたり重ねたりすることによって、収納のスペースは広がり、いくらでも収納することができるようになるのだ。他にも、探せば似たようなものはたくさんあるから、これは本当にグッド・アイデアだ。

この女性はまたチェストの引き出しに、普段は食卓用のナイフやフォーク、スプーンなどを入れるカトラリーケースを入れて、それにメイクアップ道具を収納している。これまた思いがけない収納具の用い方だが、これにならえばどんなものでも化粧品の収納具に変身させることができる。たとえば籐製のバスケットやメッシュのカゴ、黒のボックストレイなど。陶器を入れる木箱やしっかりした紙の箱でも使い方次第で立派な収納具となる。

化粧品収納箱


ウソ! ホント?
間違いだらけの洋服収納法

クリーニング店から戻ってきた
ビニール袋入りの服はそのままでいいの?

クリーニング店ではプレスの時、強力なスチームアイロンをかけて仕上げることが多い。だからビニール袋の内側には蒸気が残っており、そのまま洋服ダンスなどに収納してしまうと、その水分がシミやカビの原因になることがある。下手をすると変色することもあるし、そのままにしておいてビニール袋が服にくっついてしまうこともあり得る。だからビニール袋は面倒でも一旦必ずはずし、小1時間ほど日陰に吊るしてから収納するようにすること。湿気や薬品臭を完全に取るには1~2日かかるというから、そのあいだ風に当てることを実行してもよい。
 ビニール袋に入ってきたワイシャツなども、できれば袋の上の部分を切って、風通しをよくしてから収納するくらいの心がけが、本当は必要。もっとよいのはシャツを完全に取り出して、引き出しケースに収納するなり、ハンガーに吊るしておくことだろう。

しかし、取り去ったビニール袋を捨てることはない。裏返しにして干し、完全に乾いたら再び簡便な洋服カバーとして使うこともできるのだから。繊維は生きもの。服という形になっても、繊維は生きているわけで、ウールやシルクといった動物繊維、コットンや麻などの植物繊維で作られたものには、とくにそうしたことを強く感じさせられる。だからこそ他人にまかせないで用心したいもの。衣類の手入れは、ちょっとした油断で後悔する。

ビニール袋入りの服


防虫剤は本当に効果があるの?
次に防虫剤は、
どこに入れておくとよいか?

防虫剤は正しく使用していれば、確実に効果を上げる。正しく、というのは、使用方法をちゃんと守るということで、これをいい加減にしていては、せっかくの防虫剤もただの飾りでしかなくなる。

 たとえば、化学繊維には防虫剤は必要ないこと知ってますか? 防虫剤は虫の害を受けるものだけに使用するもので、ポリエステルやナイロンなどの衣類には何の効果もない。アセテート製品などは下手すると、防虫剤のガスの影響で変色するおそれがあるし、ラメの光沢が失われることもある。

防虫剤って本当に効果があるのかな? と疑問を持つ人は、実はこうした失敗を犯しているのかもしれない。とにかく、防虫剤は天然繊維製品以外に使用しても無駄なのだ。

防虫剤といっても用途によって色んな種類があり、具体的には説明書をよく読んで、それに従うことをすすめるが、一般的なものの場合、適度な間隔をおいて服の間に数個挟んでおくのが正しい。ほかにハンガーに掛けるものや衣装カバーの中に入れるもの、またコーナー置きなどの種類がある。また不要のシャツのポケットに防虫剤を入れて、その上にスーツをかぶせるという方法もある。シルク製品には、直接触れないようにティッシュなどで包んで入れる工夫も必要だ。

防虫剤


通販などで購入した圧縮袋は
大丈夫?保存期間はあるの?

ひと口に圧縮袋といっても色々な種類がある。フトン用のもの、衣類用のもの、掃除機を使用して真空にするもの、人の力で空気を抜くものなどタイプはさまざま。購入するときは、まず、このへんをたしかめて慎重に選んでほしい。
 いくら小さくなるからといって、掃除機の強力な吸引で圧縮してしまうフトン用のものなどは、衣類にはやはり不向き。ガチンガチンになるほど圧縮してしまってはダメということは、容易に想像できるだろう。こうしたタイプは羽毛フトンもさけなければならないといわれており、ということはダウンウエア(羽毛衣料)の類いにも使用してはいけないことになる。強く圧縮すると、羽毛がつぶれたり、羽根の部分が表地から飛び出したりすることがあるからだ。

といっても圧縮袋がすべてダメということではなく、衣類用の、しかも手で押して空気を抜くタイプのものであれば大丈夫といえる。今では簡単な操作で、自然に真空状態になり、空気がけっして逆流しないといったものも、よく売られている。1シーズンくらいは十分に持つので、保存期間の心配もほとんどない。

どんな場合でもそうなのだが、とにかく使用方法をよく確かめ、まずは他のもので実験してみるくらいのことをしてから使うのが、この手の便利品の特徴のようだ。とくに皮革製品の陰干しは、風通しのよいところで約2時間というのが一般的。レザー・コートなどの大きなもので、完全に湿気を取ろうとするなら、丸1日から2日はかかるだろう。

圧縮袋


皮革製品は保護剤などの手入れ後に収納して大丈夫?

傷の付いた皮革製品は専用のクリームやミンクオイルなどの保護剤を磨り込んで手入れするが、その後すぐにクローゼットなどに入れるのは感心しない。柔らかい布で必ず乾拭きし、余計な油分を取り除いて、なおかつ陰干ししてから収納したいもの。保護剤の手入れ後にすぐ収納すると、油のイヤな臭いがクローゼット内に充満することがあるからで、ほかの服にまでこれが移ってしまうと目も当てられなくなる。
 収納するときは、通気性のあるカバーを掛け、奥のほうにしまい込まないで、できるだけ手前のほうに吊るしておこう。これで少しでもカビが生えるのを防ぐことができる。

カビがついた皮革製品は乾拭き後に収納してもいいの? これもすぐに収納するのはNO! 基本的にカビが生えてしまったら革ものはダメで、乾拭きくらいでカビは完全には取れないのだ。だからこそカビ予防に徹するしかないのだが、中性洗剤をごく薄めに溶かした液をタオルにつけ、よく絞って拭き取るくらいのことは試してみてもよい。手入れが済んだら半日ほど風通しのよいところで陰干しし、レザークリームを薄く全体に伸ばして、革のしなやかさを保つようにしたい。

皮革製品


衣類を裏返しにして
収納するのは正しい?

コートやスーツなどの重衣料を裏返しにして収納するのは大変で、かえって変なシワができてしまうが、セーターやカーディガン、ニットベストといったニットウエア類なら、裏返し収納も有効だ。これは、毛玉ができるのを防ぐ効果があるからで、ホコリや汚れを防ぐという意味からも、案外おすすめのテクとなる。

服は何でも丸めてしまっていい? 丸めたたみはたしかに便利で、収納も楽だけれど、欠点は丸めた内側に小さく細かいシワができてしまうこと。これは長期保管すればするほど、くっきりと残ってしまう。
 だから、頻繁に着替えるようなTシャツやトレーナー(スエットシャツ)、あるいはジーンズといったものは丸めて収納してもよいが、型崩れするもの以外の服は吊るして収納するほうがいい。またはシワが寄らないようにたたむ方法を工夫すべきだろう。

シワがついてしまったら、まずは風通しのよいところで陰干しする。服というものは吊るしておくだけでも、自然にシワが取れるもの。どうしても取りにくいシワは、スチームアイロンの蒸気で蒸すようにしてかけると、案外取れることがある。ウールの服だったら、バスルームに吊るしておくだけで、少々のシワはきれいに取れるものだ。衣類は何でも丸めてよいというものではない。

裏返しにした衣類


Circular Japan 編集部 【記事に関するお問い合わせ