衣類のアイデア収納・保管術

衣類の収納・保管、第一のポイントは見やすさ、取り出しやすさにある。いくら気に入っている服でも、タンスの奥にしまいこんだり、収納ケースの中に無造作にたたみこんでいると、見つけにくく、また取り出しにくくなってしまう。ひと目見て、どこに何があるかすぐわかる、そして、すぐに取り出せる。これがアイデア収納・保管術の第一歩。

文/ファッション・アーティスト 逸海 遊(はやみ ゆう)イラスト/ haneji

靴箱保管と靴箱を使わない保管

靴の収納は下駄箱で、というのが常識だが、この場合、靴箱に入れたままで保管するか、それとも靴箱から出して保管するか、どっちがいいのだろう?
 これはどっちがどうという問題ではなく、収納スペースと使い勝手のよさから、自然と決まってくるだろう。十分なスペースがあれば、きちんと箱にしまって保管すればよいし、下駄箱が狭ければ箱から出すしかない。
 ただし、大切な靴を箱に入れて下駄箱に収納するのは、実はまちがいという説もある。下駄箱の中は通気性が悪いので、長く保管しておくとカビの生える心配がある。第一、箱に入れておくと履かないことが多くなるというのがその理由。いちばんいいのは外に出したままにしておくことというのだが、これも考えてみればちょっとだらしない。

いずれにしても一長一短があるわけで、その選択は個人の自由にまかせたいが、要はいかにしてカビの元になる湿気から靴を守ってやるか、ということになるだろう。箱に入れっぱなしにしないで、ときどきは履いてやる。湿気のこもりやすい下駄箱はときどき扉を開けて空気を通してやる。そうして、特定の靴ばかり履かないで、すべての靴をまんべんなく履くようにする。とくに革の靴は長い間履かないと、すぐにゴワゴワになってしまうのだ。とにかく、しまいっぱなしはせっかくの靴をダメにすると心得たい。

靴箱と靴


写真を撮って靴箱に貼る

靴箱に入れて保管する場合の注意点をひとつ。下駄箱の中でもどこでもそうだけれど、靴箱に入れっぱなしにしておくとイザというとき、どこに何が入っているかわからなくなってしまう。そんな失敗をさけるためには、靴の写真を撮って、それをその箱に貼っておくことをおすすめしたい。そうすると、どの箱にどの靴が入っているかがひと目でわかる。
 それはたしかに便利だが、写真を撮ったりするのが面倒という人には、市販の透明か半透明の箱や楕円形の窓が付いた靴箱を利用すればよい。これまたひと目で靴の在り処がわかる。箱の中には除湿剤を入れておくのがよいが、お菓子や海苔の入れものによく付いてくる小さな乾燥剤を入れておくのもよい。これまた湿気を防ぐための知恵。ときには箱を取り出して、箱ごと天日で乾かすこともやってみたい。

モデルさんなど靴をたくさん持っているオシャレな人は、靴箱の外側に色見本のカードを貼っているという。そうして色のグループごとに揃えておくと、一目瞭然でコーディネートしやすいというのだ。上級テクニックのひとつとして、覚えておくといいだろう。
 すべての靴を箱に入れるのは無理という人も、ふだんあまり履かない特別な靴だけは靴箱で保管するということを考えていい。この場合も買ってきたときの紙の箱に入れるのではなく、プラスチック製で密閉式の半透明の箱に保管するとよい。よく手入れをし、シューキーパーで形を整え、除湿剤も入れておこう。

靴箱に写真を貼る


靴棚にキッチン用のシートを敷く

靴を箱に入れないで、そのまま下駄箱に収納する場合には、靴棚に防虫流し台シートといったキッチン用のシートを敷いておくとよい。これは防カビ処理がほどこされているので、カビを防ぐとともに靴底の汚れを防ぐことになる。そうした銀色のシートなどを靴棚の広さに合わせてカットし、両面テープで留めておくといいだろう。
 そもそも靴は脱いでもすぐにしまわないというのが基本で、脱いだらすぐに傷や汚れをチェックし、傷があれば手入れをほどこす。また気づかなくても泥土や砂、ホコリなど汚れは必ずついているものだから、これらを完全に落としておくのが靴収納のセオリーというもの。そして、靴は1日履くとコップ半分ほどの汗をかき、完全に乾くには2日はかかるといわれる。だからすぐにはしまわないで、玄関の三和土( たたき) のところで十分に乾かしてから下駄箱にしまうというのが、本当の収納の達人ということになるのだ。

こうして靴を下駄箱の中に収納するとしても、せいぜい20 足くらいのものではないだろうか。また、ぎゅうぎゅう詰めにしてしまうと、靴同士の触れ合ったところが傷つき、型崩れの元にもなってしまう。そんなときは1足ずつ布袋などに入れて保管すればよいのだが、よく履く靴は、いっそのことそのまま玄関の三和土に出しておくということを考えてもよいだろう。玄関に何足も出したままじゃイヤというなら、ブロックや板などを使ってちょっとした靴用の棚を作るという手もある。

靴箱


吊り下げ式ラックで
洋服ダンスの中に靴を収納

玄関にちょっとした棚を作って靴を収納するというアイデアを紹介したが、スペースに余裕のない場合はそれも無理。そんなときはまったく発想の異なる方法に挑戦するべきだ。
 インテリア・ショップなどに行くと、キャンバス( 厚手の綿布) 製の吊り下げ式ラックを売っているが、これを靴の収納に利用する。本来はTシャツなどを丸めて入れたり、ちょっとした小物などを収納したりするのに使われるのだろうが、これは靴の収納にも便利。

色々な形があるが、靴の収納には15 センチ角ほどの収納スペースを10 個つなげた細長い形のものがよい。これだと10 足の靴を収納することができ、タテに2列で並べると、20 足収納できることになる。こうした吊り下げ式ラックをおくのは、洋服ダンスやクローゼットの中。ふつうは服を吊るすパイプに通して吊り下げる。これは実に効率的で、見やすく、かつ取り出しやすい。

汚れがついたり、湿気が残ったりしたままの靴を、そのまま洋服類といっしょに収納するのはもちろんまずいので、こうした場所に入れるときは、汚れなどをよく落としてから収納しなければならないのはいうまでもない。臭いが気になるときは殺菌・消臭のスプレーをし、乾かしてから入れるようにする。それでも洋服に変な臭いがつく可能性はあるから、洋服ダンスやクローゼットの換気にはとくに気をつけるようにしよう。

吊り下げ式ラック


シューキーパーを使う

靴の型崩れや変なシワを防ぐのにうってつけの道具がシューキーパー。別にシューツリー( 木型) という名前もあるように、かつては木製のものが多かったが、最近ではプラスチックや金属製などさまざまな種類が出回っている。
 ではシューキーパーは万全かというと、これが実はそうでもない。よくあるスプリング( バネ) 式のものは前後に伸ばす力が強すぎて、革が伸びてしまうことがあるからだ。本当によいのは靴を作ったときの木型そのものをシューキーパーとしたものだが、これはよほどの高級靴でないと付いてこない。次にいいのはネジ式のもので、これはサイズに合わせてピシッと調整することができる。いずれの方法をとるとしても、シューキーパーを入れっぱなしでは革が伸びてしまうので、これに頼り切るのは危険と知っておきたい。

靴のためにはシューキーパーを使うのがよいとわかっていても、手持ちの靴全部に用意するのは大変なこと。そんなときには別のもので代用する。
 たとえば靴を買ったときに付いてきたビニール製の詰めもの。これはあらかじめ靴の形に合わせて作られているから、シューキーパーとしては重宝する。すぐに捨てないようにしよう。ほかに新聞紙などを丸めて爪先部分に詰め込んでおくというのも考えてよい方法。
 この場合、割り箸などを使ってつっかえ棒にすると、即席でありながら効率のよいシューキーパーとなる。


自分でできるシューズの手入れと効果的な収納法

スニーカー・タイプスニーカーは洗濯機で洗える

スニーカーは、天気の好い日に自分の手でガシゴシ豪快に洗ってやるのが、なによりも楽しいが、洗濯機でももちろん洗うことができる。「洗える」表示の付いているものなら、スリッパでも洗えるのだ。
 が、ただ洗濯機に放り込めばよいというのではなく、ちょっと工夫することによって、もっと効果がアップするもの。たとえば下洗いをしてから洗濯機で洗うと、相当汚れたスニーカーでも見違えるようによくなる。ここでも手抜きはよくないようだ。

まず、少し濃い目に溶かした弱アルカリ性の洗剤をハブラシにつけて、スニーカーの内側と底の部分を念入りにこする。外側はそうした洗剤液やスニーカー専用の洗剤にしばらく浸けておき、タワシや専用のブラシでゴシゴシ根気よくこする。
 以上の下洗いの後に、洗濯機に入れて本洗いするわけで、脱水まできたら高さを揃えて均等に並べると、ガタガタというイヤな音も出なくなる。

1足だけではもったいないから、できたら何足かいっしょに洗うようにしたほうがよいだろう。この際、靴ヒモは必ずはずし、洗濯ネットの中に入れておくのが、スニーカー洗いもうひとつのコツ。ヒモが絡んでしまうと、本当にやっかいなことになるからだ。洗い終わったら新聞紙などを詰め込んで、日陰で乾燥させるのが原則というが、直射日光でカラリと乾かしてもかまわない。最近のスニーカーはそんなにヤワではない。

スニーカーを洗う


スニーカーは袋に入れて吊るす

スニーカーなんてモアカジュアルな靴は、きちんと収納しなくても大丈夫。むしろイージーに扱ってこそ、スニーカーらしいいい味が出る。といって無造作にそこらへんに放っておいていいということではなく、たとえば下駄箱の棚にきちんと入れるのではなく、布の袋などに入れて、洋服ダンスの中などに吊るしておいてはいかが、というだけのお話。
 よくパジャマ入れなどに用いる巾着型の大きめの布袋を利用すれば、かさばりがちなスニーカーも難なく収まる。これを洋服ダンスやクローゼットの内側、あるいは下駄箱の中の傘を収納するところなどに吊るすわけ。袋のヒモの長さを調節すれば、お互いが重なることもなく、思った以上にたくさんのスニーカーを収納することができる。

どうしてもそんな場所が見つからない場合には、玄関の壁にフックを取り付けて、そこに1足ずつ入れた布袋をぶら下げるといい。これをスニーカーの壁掛け収納という。自分で気に入った布地を買ってきて布袋を自作すれば、ちょっとしたインテリア・デザインの代わりにもなるだろう。
 これはまた収納ケースなどに長期保管するときにも使えるテクニック。バラバラに入れないで、1足ずつ袋に入れて収めるとわかりやすいし、型崩れや傷も防ぐことができる。

袋に入れて吊るす


レザー・タイプ革靴をはじめて使うときは靴クリームを塗る

これは意外と知られていないことだが、買ったばかりの靴が完全な状態におかれているわけではない。店の棚の上にどれくらい置かれていたことか、何人の人が試し履きしたことか?
 そもそも店頭の靴にはクリームなんぞは磨り込まれていないのだ。
 これをそのまま履いたらどうなるだろうか。たちまち型崩れして履きづらくなるということにもなりかねない。革靴の手入れは、それを実際に履く前からはじまっていると知っておいてほしい。

革靴は買ってきたら、まず靴クリームを塗ることからはじめる。最初に乳化性のクリームを薄く塗る。これは革を柔らかくして栄養分を与える性質がある。保革のためには欠かせないものなのだ。

次に油性のクリーム。これは成分中に水分を含まないので、防水性にすぐれ、光沢を出すのにもよい。つまり、クルマのワックスのようなもので、しょっちゅう使うものではないが、乳化性のクリームと併用することによって、より効果を発揮してくれる。
 ほかに液体クリームというのもあるが、これは大抵エナメルやスエード用の専用クリームということが多い。磨く必要はなく、塗るだけで光沢が生まれるが、ふつうの革靴には使用しないほうがよい。

靴クリームを塗る


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