かたちあるもの いつかは壊れる
壊れた器を復元する伝統工芸

KINTSUGI-REPAIR WITH REAL URUSHI LACQUER

金継ぎの技を見てみよう!第二弾

金継ぎ きんつ とは割れた器を漆(うるし)や金属粉を使って装飾して仕上げる修復技法のこと。 日本古来の技、金継ぎは細かい作業のてんこ盛りだった!
 粉々になった器(古伊万里と、形見のそばちょこ)を元どおりにする方法があると知り、金継ぎワークショップに参加した。「よくここまで派手に割ったね! こりゃ上級者コースだわよ」とスパルタ先生からの洗礼を受け(?)まずは
①バラバラになったパーツをテープで貼り合わせ全体を確認
②麦漆(むぎうるし)を使って破片同士をくつけゴムやテープで固定
③ムロに入れて10日間乾燥
④錆漆(さびうるし)をヒビに塗り込む
 富士山の登山だったらもう6合目まできた雰囲気。これからまだやることあるの?って思ってたら次はヒビの周りを綺麗に掃除すること。 くっ付けて、乾かして、綺麗に磨いて、また乾かして、磨いて、という地道な作業が延々とつづく。チマチマ、コチョコチョ、道具を用いて1ミリ単位に動かしながら磨く、それは出口の見えないトンネルの中でひたすら器と向き合うワークショップ。あの、継ぎ目に美しい金色のスジを塗る日は果たして来るのだろうかと途方にくれる。そしてある日。 先生から「よし!撒こう!」という言葉。そう、撒く、というのは金粉を継ぎ目に撒く(上から乗せる)待ちに待ったステージ!まずは継ぎ目の線に黒呂色漆(金粉はベンガラ漆)を筆で細く細く描く作業。そしていよいよ粉筒(太くて短いストローのような竹筒)に入った金をショコショコと継ぎ目に乗せていく。
 ここでは粉がドバーッと出ないように細い線に小出しに乗せることが大事。余計な粉は筆で落とす。まだ終わりませんよ。金の筋に生漆を塗りティッシュで拭き取った器をムロに入れ一週間(この作業を粉固めという)最後は滑らかな紙やすりや鯛の牙でひたすら磨いて磨いて。とうとう完成したのだった!いびつな線に金のスジが鈍く輝き、なんだか自分の皿が別物に生き返ったような、なんとも言えない風情。感動の瞬間にスパルタ先生も満面の笑みで「よかったね!」と言ってくださる。こんなに器と向き合ったことはなかっただけに、器に対して思いもよらないほどの愛着が生まれたし、大切にしたいと思うのだった。これは癖になりそうだ。

金継ぎの作品群

金継ぎした器たち。
よく見ると割れ方に共通する形があるのがわかる。鳥足の割れ ー ふちの割れが鳥の足のように見えるもの

金継ぎに使う道具たち

金継ぎにはさまざまな行程に数多くの道具を使います。彫刻刀やナイフは継ぎ目を研いだり漆を塗ったあとの掃除に。メノウ石や、鯛の牙は、磨きの作業。細筆は、漆を塗るため。

くっ付けて、乾かして、磨いて。ひたすら器と向き合う修行


▲スジに塗った金を鯛の牙を使って磨く。ここまでくればゴールは後わずか

▲そばちょこは錫(すず)を撒き、図柄の絵との調和をはかる。あとはひたする継ぎ目を磨くのみ

▲ 細かい部分まで見落とすことなく磨いていく作業は集中力が必要

写真・取材協力

金継ぎ oh! Lala

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